北見で特急オホーツク3号を降りてからは、
午後の2つめの楽しみである第3セクターの
北海道ちほく高原鉄道に乗る。
JRではないが、元はJR北海道の地北線として、
石北本線・北見と根室本線・池田駅を結んでいた。
なぜこの路線を選んだのかといえば
日本で最も寒い陸別地方を走る路線だからである。
その極寒の土地に息づく鉄道に乗りたかったからに他ならない。
オホーツク3号からの接続時間は10分。
これも今日のスケジュールの出来をよくしている。
14時28分発の池田行きワンマンカーはすでに入線していた。

 北見を発車すると、今しがた通ってきた石北本線は
市街地のトンネルへと消え、ちほく高原鉄道は南下する。
路線を一括管理する北見運転所の横を走り
北光社、上常呂、広郷、日ノ出、穂波、訓子府と停まっていく。
晴れていれば、列車によって舞い上がった雪が、
キラキラと日光に輝くダイヤモンドダストを見ることができるが、
曇りなので残念ながら無理なようである。
国道が並行しているが、人家もまばら。
サイロもちらほらある程度で、沿線人口の希薄さを物語っている。

 北見から池田まで全長140kmという長大な路線であるが、
30の駅がありながら、途中の有人駅は
訓子府、置戸、陸別、足寄、本別の5駅のみ。
しかも無人の途中駅と来たら、バス停のような小さな駅ばかり。
ホームには雪を凌ぐ屋根もなければベンチもない。
板切れでできた仮乗降場のようなものばかりである。
仮乗降場とは、駅としては認められていないが、
地元の要請により国鉄の地方管理局が設置した乗降場のことである。
全国版時刻表には掲載されていないものが多かったが、
それも昔の話。西訓子府“駅”に停車する。

 西訓子府から15分ほどで置戸に着く。
置戸は第3セクターちほく高原鉄道の分水嶺の北側に位置する駅。
ここから山中に分け入っていくと、突然吹雪になる。
この天候の変わり方は北海道ならではだと思う。
小利別まで16kmを18分。
だがその道のりは長く感じる。
この置戸〜陸別間は建設工事で難航を極めた場所で、
原生林に囲まれた渓谷を切り開くのは困難を極めたという。
しかしながら先ほどの常紋峠と違って、
トンネル区間は全線に渡り一箇所もない。
北海道の鉄道の中では非常に珍しい。

 吹雪の中を走るだけでなく、
積もっていた雪を列車が巻き上げるため、
ワンマン運転用のミラーにも雪がこびりつき始めた。
距離では全線の4分の1を占める陸別〜置戸間ではあるが、
人家が極端に少なく、利用客もまばらである。
輸送上のネックとなっているようだ。林業や酪農が中心であるが、
原生林の森を走るため風光明媚というのにも程遠い。
こういった風景を見るたびに胸を突かれる思いがする。
“旅は身のためになる”と自分で思う瞬間だ。

 北見盆地からの常呂川は尽きている。
このちほく高原鉄道の前身である国鉄池北線は、
網走までの網走本線として開業した。
当時は滝川から根室本線で南下し、
池田から網走本線で北上するのがメインルートであった。
北見〜遠軽〜旭川の石北線が全通すると、
距離が短い分だけそちらが道央と網走を結ぶメインルートとなり、
池田〜北見間が池北線、新旭川〜網走間が石北本線に
線路愛称が整理された。
石北本線は北見と石狩を結ぶことに由来していることも、
歴史から紐解くことができる。




人煙途絶えた峠路

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第3セクター・ふるさと銀河線の旅 @
凍てつく鉄路
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