最長片道切符の旅は森駅からの接続が悪いので、
五稜郭から江差線に乗ることにする。
江差線は函館〜青森間の津軽海峡線の1画を成す路線である。

 函館本線上の分岐駅である五稜郭で待っていると、
1両のワンマンカーがやってきた。1両などすぐに満杯になる。
函館本線と分かれて五稜郭機関区の横を抜けると七重浜に停まる。
3つ目の久根別で20人ほどが下車。立客はいなくなる。
上磯、茂辺地などの中規模の駅でも下車があり、閑散としてくる。

 対岸に函館山を見ながら津軽海峡に沿って走ると
五稜郭から1時間ほどで木古内に到着する。
ここまでは津軽海峡線の一部として機能するから線路も立派。
対向列車も寝台特急<日本海1号>、貨物列車と多彩である。

 15分停車の間に、新たに10人ほどの乗客を吸い込んだ。
特急<白鳥>の上下列車と接続をとっていたからであろう。
木古内を11時30分に発車すると、
複線電化の津軽海峡線と分かれて単線非電化のローカル線となる。

 海沿いから一変しての山道。
線路も細く、草が生えている。まるで森林鉄道のようだ。
速度も時速40kmがせいぜいだ。
トロッコ列車ではないかと見紛うほどに遅い。
上り坂でもあるらしく、時速20km以下で走るようなところもあった。

 吉堀から神明まで13kmを20分。ゆっくりと走る。
長いトンネルもあったので、おそらく分水嶺であろう。
渡島半島の先端、日本海と津軽海峡の間が40kmぐらいしかない
ところを列車はたどっているのである。

 そして湯ノ岱から宮越までは一転して下りとなる。
日本海に向けて下っているのは明白だ。
小屋のような駅舎と短いホームの宮越からは5分おきに駅がある。
渓谷のそばを駆けてから水田の中を走る。
道央と違ってこちらは穂がない。実りの秋まではまだ遠いようだ。

 線路と絡み合う川では釣りを楽しむ人もいる。
本州に近いことの証でもあるようだ。街並が迫ってきて上ノ国に着く。
そこから松林を抜けて日本海を見渡す丘を数km走った後、
ゆっくりとスピードが落ちて、終点・江差に到着。

 もはやエゾマツの林ではなかった。
北海道開拓史に松前の名がないのもわかる気がする。
城下町・松前からけっこう離れている。
かつて国鉄松前線と、江差線とで廃止を争ったことがある。
利用客の多かった五稜郭〜木古内間が江差線として
運転していたために、松前線が廃止になった。
五稜郭〜木古内間が松前線だったら、
江差線が廃止になっていたところである。

 降りた人たちは15人ほど。折り返し列車も15人ほど。
需要がないわけではなさそうだが、江差〜木古内間の列車は
1日に6往復。
札沼線や留萌本線よりも本数が多いのだが、
果たして存廃問題が浮上していないのかどうか気にかかった。



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江差線の旅

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