新潟駅5番線から30番目の路線・越後線に乗る。
入線してきたのは9時21分発の普通列車・吉田行である。
車内が半分くらい埋まって発車する。
しばらく上越新幹線と併走したあとに右にカーブを切って川を渡る。
どうやら信濃川のようだ。先ほどまでの雨雲いっぱいの曇り空が嘘のように
青空へと変わっている。雲の動きが激しいのかもしれない。
先行きは不安だ。

 新潟の市街地の中を走っているようで、
白山、関屋、青山、小針、寺尾、新潟大学前と2〜3分おきに停車する。
しかもすべて6両編成で、信越本線よりも長い。
新潟の市街地はこちらに越後線に沿って伸びていると推察できる。

 新潟大学前を過ぎるとだいぶ乗客が減ったので、洗濯物を干す。
今日も乾いていないのである。シャツと靴下の乾きがよくない。
3日前のような大失態はしないように注意する。
窓を全開にして、扇風機からの風を合わせて、
何とか乾いてくれと願う。
が、願いもむなしく10時15分、
東三条からの弥彦線が合流して終点・吉田に到着。
洗濯物は乾いてなくてもたたむしかない。
とほほ・・・。



 吉田からは接続が悪く、時間があるので盲腸線である弥彦線に乗る
終点の弥彦には弥彦神社をはじめ、いろいろあるらしい。



 笑顔もにこやかな駅員さんのいる弥彦駅を離れ、吉田へ戻る。
12時28分、吉田着。10分で乗換えであるが、
この10分の間に弥彦線、越後線の上下列車が到着し、
4方向から列車が集まって、次の10分間で4方向へと散っていく。
最長片道切符のルートに戻り、1番線に停車中の電車に乗り込む。
到着列車も多く、弥彦行の普通列車は高校生でいっぱいになっていた。
12時38分、ぼくが乗る柏崎行普通列車は吉田駅をあとにした。

 南吉田、粟生津と停車し、部活動帰りの中学生はみな下車していく。
空いたと思った車内も次の分水で乗車があり、その次の寺泊で降りた。
短区間の利用者が目立つ気がする。
松林が近づいてきた。どうやら海が近いらしい。
潮の香りがするわけではないから、海に出ることはなさそうである。

 車掌どのは車内改札と無人駅からの切符の発券に忙しく、
車内を行ったり来たり。うとうとしていた自分も起こされる。
最長片道切符を見せると、一瞬戸惑った様子で言う。
「稚内から肥前山口ですか?」
お互い目が冷めたような顔をしてしまった。
「新潟・越後線・柏崎・・・・。わかりました。ありがとうございます。」
と言って車掌どのは車掌室に戻った。

 次第に民家が建て込んでくると最後の駅・東柏崎に停車し、
13時45分、終点の柏崎駅0番線に到着。
30番目の路線・越後線の旅は長かったような気がする。

 改札で途中下車印をもらう。
「おお!すごい切符ですね。どこまで行かれたのか確認させてください。」
と、経由地の確認を怠らなかった。
「これからは宮内、越後川口、ほぅほぅ。」
と言う。いろいろと把握してそうな駅員さんだったので
今日これから先たどる上越線と飯山線の運行状況を訊く。
「上越線は朝はだめでしたがいまは大丈夫ですよ。飯山線は・・・」
と、運転指令から送られてくるFAXを見せてくれた。
“土砂流失による復旧作業のため、十日町〜森宮野原間バス代行輸送”
とあった。しかも8月15〜22日までは十日町〜戸狩野沢温泉間で
全面運休だったものが、今日(23日)から全面開通する予定だったという。
あぁ。残念無念。

 それでも戸狩野沢温泉まで行けるのであれば行くしかあるまい。
バス代行だからだの云々と言ったところで、列車が動けないのだから
仕方がないのである。十日町まで行ってみることにする。
さらにこの駅員さんは、飯山線全線を管理する越後川口駅に
現在の運行状況を電話で訊いてくれた。
1人の乗客のためにいろいろと調べてくれ、真摯に対応する
鉄道マンの鏡のような人だなと思った。
同時にこれまでの道中で、ぼくの最長片道切符と
最も向き合ってくれる駅員さんでもあった。
いっしょに定時運行を願いたい。
ぼくはそんな気持ちで胸がいっぱいになった。

 「お気をつけて!よい旅を!」
と見送られ、1番線に向かう。この柏崎駅からは2度目の信越本線。
長岡行普通列車は14時22分に発車した。
越後線と分かれて山のほうへ進路をとる。

 小さな峠を越える。
昨夜から今朝にかけて速度規制があったのはこの辺りだろう。
保線区の作業員が何人も巡回しているようだ。
塚山、越後岩塚と山中の駅に停まってから来迎寺に停車。
山は越えたらしく、少しずつ乗客が増えてくる。
そこから完全に濁流と化した信濃川を渡る。
これでは多少不通区間があっても止むを得まい。
断腸の思いではあるのだが・・・。

 15時02分、右から上越線が近づいてきて宮内に停車。
ここで上越線に乗り換えねばならないが、乗り越し料金を払って
長岡まで行く。飯山線についての新しい情報が
得られるかもしれないからである。しかし、長岡駅では
まったくもって新しい情報は得られなかった。

 宮内までの乗車券を買って、長岡駅5番線に下りる。
今日2度目の長岡駅。“最長片道”であることを抜きにすると
朝の長岡駅から、まだ一駅しか進んでいないことになる。
何を遠回りしているのだろうかと思う。
なぜ遠回りしているのだろうかと思う。
いつかその答えが出るのかもしれないなと思う。
どこまで旅をすれば見つかるのかと思う。
答えを見つけなきゃいけないのかとも思う。
答えが見つからなきゃどうなるのかとも思う。
心中は複雑だった。
だが一つだけはっきりしていることはある。
旅を続けなくては答えなど出るはずがないということである。



23.上越新幹線

25.母なる千曲川

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最長片道切符の旅・10日目
24.柏崎駅
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