最長片道切符の旅の12日目を終えて、
水戸線で小山まで戻った後に、宇都宮からの日光線にも乗る。

 今日は台風が接近しているが、関東地方を通過するのは
今夜遅くらしい。これは運がいいかもしれない。
余った時間を使うのだ。幸いなことに
青春18切符も今日の日付が入っている。

 宇都宮駅5番線に向かう。
16時17分発の日光行普通列車に乗り込む。
横座りのロングシートであったが、窓が開く。
これならばロングシートでも文句はない。
要は閉じ込められるのが嫌なのである。
外の空気が吸いたいのだ。

 宇都宮駅を発車すると、東北本線と並走して市街地を抜ける。
これほど民家が建て込んでいれば駅の一つでもあって
よさそうなのに、ないのである。

 ようやくあった最初の駅・鶴田では20人ほどが乗ってくる。
どうも栃木県内は東武鉄道の縄張りらしい。
市街地はあっさりと終り、田畑と木々の並ぶ風景に変わる。
そのまま走ること10分、鹿沼着。なかなか駅間距離が長い。
さらに40人ほどが乗ってくる。
どうも宇都宮への一極集中傾向ではないらしい。

 風景は一変して山里になる。
林の中を一直線に貫いて文挟に停車。
少数だがやっと下車がある。
さらに次の下野大沢で20人くらい、
今市ではほとんどが下車し、車内はガラガラになる。
この日光線の流れのすべてが今市に集まっているように思う。

 今市を出ても駅間距離は長い。
林の中を抜けているが、勾配を上って山へと向かっている
印象を受ける。スピードが落ちると比較的広い構内に入って、
日光駅に着く。

 右手からぐるりと回ってきた線路が駅の先で
線路を跨いでいるのが見える。東武日光線らしい。
こんなところまでもJR日光線を圧倒している。
元々国鉄と東武は日光への交通上、競い合っていた。
しかし宇都宮で進路を変えなければならなかったりして
国鉄は劣勢に陥り、敗北してしまったのである。

 やはり外国人観光客の姿が目立つ。
中禅寺湖、華厳の滝など、観光地が多い。
それらの観光地を背景に歩んできた歴史を感じさせる
日光駅の駅舎が乗客を吸い込んでいる。
さびれてしまった日光線40分の旅が終わった。



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日光線の旅
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