広島から盲腸線に乗る。

 接続のいい可部線からにしよう。
可部線は山陽本線・横川駅から分岐するが、全列車広島まで
乗り入れている。9時40分発の可部行普通列車は4番線に
2両編成で停車中だった。

 新幹線高架橋下にある横川駅で山陽本線と分かれると
太田川を渡り、右岸に出て三滝に停車。対岸は先ほど通ってきた
芸備線の沿線である。

 駅間距離は短く、可部〜横川間14.0kmの中に11もの駅がある。
福塩線や大糸線同様に、私鉄が敷いた線路を国が買収して国有化
したためである。各駅間の所要時間は運転席の運転時刻表を見ると
すべて1〜2分台だった。

 安芸長東、下祇園、古市橋と停まっていく。
車内は若者というか、大学生・専門学校生でいっぱいである。
しかし彼らもすべて大町で降りた。広島のモノレール・アストラムライン
に乗り換えるためらしい。可部線沿線の下町の風景とは対照的な
近代建築が無機質に思えた。

 緑井、七軒茶屋、梅林、上八木と停まってもう1度川を渡る。
民家の軒先をかすめるというよりは、あぜ道や散歩道を行くといった
感じである。中島駅に停車したあと、終点の可部駅に到着。

 行き止まり式のホームに停車する。
隣には錆びついた線路が残っていて、三段峡まで伸びている。
可部線はかつて横川〜三段峡間70kmを走るローカル線だったが、
赤字が理由で可部〜三段峡間は廃止となった。結局のところ、
国鉄が開通させた区間が廃止されて、短い14kmの広島市内線に
なってしまったのだった。

 あれこれと沿線自治体と協力して
赤字改善策を打ち出したが、根本的な改善に至らなかった。
経営改善策を続けていくのだろうとぼく自身は楽観的だったために
乗らずじまいで廃止されてしまった。
乗りに行くべきだったと思っている。この路線が廃止されたことで
永遠の未乗路線を作ってしまったため、乗ってないところはすべて
乗っておきたいと思うようになったのだった。




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