赤穂線の普通電車で岡山駅5番線に到着したあと、
3分の乗換えで11番線に渡る。なんとも慌しいなと思いつつ、
宇野線・児島行普通電車に乗る。

 よく考えてみたら、宇野線では快速<マリンライナー>以外の列車に
乗ったことがない。<マリンライナー>が便利すぎるというのは責任転嫁だろうが、
そんな宇野線を各駅停車でたどろうと思う。

 元々は本州〜四国を結ぶ宇高連絡航路のあった宇野までの路線である。
いまでも岡山〜茶屋町間は瀬戸大橋線の一部として四国連絡の役割を担っており、
すれ違う列車の本数は多い。普通列車は宇野行、児島行と一部に四国の観音寺や
琴平まで乗り入れるものもあるが、快速・特急はすべて四国に渡る。

 便利すぎるマリンライナーのおかげで、高松は福岡からも名古屋からも
青春18切符でギリギリ日帰り圏内にある。だから、<マリンライナー>だけで
5階ぐらい四国へ渡った。讃岐うどんを食べるためにである。

 当然のことながら駅名もよく覚えている。
大元、備前西市、妹尾、備中箕島、早島、久々原、茶屋町。しかしそれは
マリンライナーに乗ってのことだから、茶屋町〜宇野間の駅はよく知らない。
行ってみたいと思う。

 高架橋に上がって12時20分に茶屋町着。
4番ホームまであるが、2・3番ホームの間には線路は一つ。すなわち
1つの列車にしか乗れない。乗換えで階段を渡らなくて済むようにしてあるらしい。
宇野行はこのホームから発着する。

 12時25分、折り返し宇野行の列車が入線すると、両側のドアが開いた。
この列車の中を素通りすることで反対側のホームへ移ることもできる。
岡山からの<マリンライナー>の接続を受けて、12時32分に発車した。

 今乗っている車両は元々<マリンライナー>に使われていたものである。
しかも普通列車に使われるようになってから、妙な顔になった気がする。

 瀬戸大橋線の高架橋の上を2kmほど走り、分岐して地上に下りる。
遠ざかる高架橋はまるで津軽海峡線を見ているようだ。
彦崎、備前片岡、迫田と停車。どの駅も交換設備を持ち、ホームが非常に長い。
四国連絡の大幹線だった頃を偲ばせる光景だ。鉄道路線は変遷するものである。
戦時中の資材供出のために線路をはがされた路線もあれば、時間短縮のために
別路線を新設されたところもある。無常だ。

 正面に見えている山は鷲羽山だろうか。
山の手前で左にカーブを切り、この瀬戸内地方でよく見られる“ため池”の横を
抜けると備前田井に停車。まもなく終点・宇野に到着となる。

 小ぢんまりとした駅だった。
かつては貨車なども宇高鉄道連絡線に乗せて輸送していただろうから、
側線は大量にあったはず。それも過去のもので、駐車場になっていた。
駅前には高松へのフェリーターミナルもある。
室蘭駅のような栄枯盛衰を思わせる終着駅をもつ32.8kmの路線であった。

 発車の際、ベルの代わりに“いい日旅立ち”が流れた。
次の旅に出よう。



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