太平洋の海岸の特徴は砂浜が少ないことと、
外洋らしさから丸石がごろごろ転がっていることが特徴である。
そのとおりの海岸が現れると安和に停車。
海辺の駅で、ヤシの木も並ぶ。

 土佐新荘に停まると、港に漁船が大量に停泊しているのを
見ながら須崎に着く。ここから高知の都市圏に入るらしく、
乗客が増える。海側には横浪半島が突き出ているので
内陸に入って行く。やはり地形の険しさは変わらぬらしく、
高知平野に下りるまでは山の中を走る。にもかかわらず、
大間、多ノ郷、吾桑、斗賀野、襟野々、佐川、どんどん乗客は
増える。土佐加茂、岡花、日下と停まっても
状況は変わる様子がない。

 やがて伊野に着く。
ここは土佐電鉄の西端なのだから、ここから土佐電に
乗ってもいい。5分停車して対向の特急列車を
待ち合わせる間に考える。

 すると向こう側のホームに見たことのあるディーゼルカーが
停まっていた。キハ58形という国鉄型のディーゼルカーだった。
時刻表で調べると8時59分発とある。
久しく乗っていないような気もしていたし、満杯で窓も満足に
開けられぬよりはと、とっさに降りて乗り移る。

 窓を開けて発車までの時間をのんびり過ごしていると、
4両編成のディーゼルカーは乗客5人という状況で発車した。
のんびりできてよい。

 まもなく高知市内に入る。
枝川、朝倉と停まりながら、仁淀川を渡る。高知を流れる仁淀川、
宮崎を流れる大淀川。高知と宮崎はよく似ていると言うが、
食べ物はまったく違う。高知ほどに宮崎は黒潮の恩恵を
受けていない気もするのだ。土佐と日向。異国情緒あふれる
両者だが、カツオの産地であること、風土・人柄・方言を考えたら、
高知は鹿児島に似ていると思う。桜島のような火山はないが・・・。

 その土佐の国にあって、旭、円行寺口と停まれば
工事中の高架橋が現れる。高知駅の高架化工事がたけなわ
なのである。次にくるときは完成しているかもしれないな・・・
と思っていると、懐かしいエンジン音を響かせた列車は
高知駅に滑り込んだ。油臭さもそのままであった。

 ここからは特急<南風10号>で丸亀に出た。



13.黒潮の海は燃えて

15.アンパンマン列車再び

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四国周遊切符の旅  14.土佐と日向
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