松山駅1番ホームに停車中の
特急<しおかぜ8号・いしづち8号>岡山・高松行に乗る。
瀬戸大橋線の分岐する宇多津で分割されるが、
多度津までしか乗らないのであまり気にせず自由席に乗る。

 7時19分に発車する。
8両編成とは四国にしては長い。瀬戸内と太平洋側で
こんなにも人口が違うものかと思う。松山の都市圏は
どこまでなのかいまひとつわからない。そのくらい
瀬戸内という地方は中小都市が多く、移動が活発なのだ。

 15分ほどで伊予北条に着く。
そこから瀬戸内海に突き出た部分を丁寧にたどるため、
海は間近に見える。今日も潮風が吹いている。
車窓を一瞬よぎる駅名も海にちなんだものばかり。
大浦、浅海。今治の手前には波方、波止浜という駅もある。

 しまなみ街道の一部をなす来島海峡大橋を見ながら
7時55分、今治へ。新居浜もそうだったが、
こんな街があったら県都に一極集中する流れにはならない。
今治を出ると次の停車駅である壬生川まで、伊予富田、
伊予桜井、伊予三芳。壬生川から先も伊予小松、伊予氷見。
そんなに伊予をアピールしなくてもよさそうだが、
伊予以下の地名は他にもある。富田、桜井、小松、氷見。
旧国名のおかげで駅名の響きはすばらしくなっているのに、
伊予三島と川之江は“四国中央市”・・・と昨日は考えた。
今日はもうそのことは考えずに伊予三島を過ぎようと思う。

 右手には朝靄に包まれた石鎚山系が立ちはだかり、
平地を狭めている。おかげで走れる土地も少ないのである。
あの山々を越えるのは困難を極めそうだし。
と、何だか眠くなってきた。朝が早かったからだろう。
ウトウトして目を覚ますと観音寺を出たところだった。
伊予西条、新居浜、伊予三島、川之江は覚えていない。
乗り心地がいいのである。

 何が何だかわからない状態で詫間に停車。
「次は多度津」と放送で案内されてあわてる。
三脚を忘れないようにしなくてはならない。
わずかだけの海岸線を走り、海岸寺駅を通過して
多度津に到着。ここで降りる。丸亀まで行ってもよかったが、
一度、鉄道の町で降りておこうと思う。

 駅舎とロータリーは思ったよりも小さかった。
小さい割りに広い駅なのでますますもってアンバランスである。
JR四国の多度津工場は少し離れたところにあるらしい。
香川というとうどんや讃岐富士、金毘羅山ぐらいが有名だろうか。
ぼくとしては3月頃の菜の花畑をオススメしたい。
菜の花マラソンのある鹿児島・指宿と同じくらい見事である。
菜の花畑は多くあるだろうが、は観音寺の隣の本山付近が
いいらしい。いつか行ってみようと思う。

 多度津の駅前にSLが置いてあった。
蒸気機関車が消える日まで働いていたらしい。
が、近寄ってみるとアスベストが随所に使われている
可能性があるため、触らないようにという看板がある。
機関車で働いていた人たちはどうなったのだろうか。

 多度津からは特急<南風3号・しまんと5号>
宿毛行に乗る。四国島内のJR線はすべて乗ったが、
第3セクター土佐くろしお鉄道の『ごめん・なはり線』が
残っている。最後になってしまったが乗っておきたい。
3度目の四国山地越えで、土佐山田と高知との間にある
御免駅に11時16分、到着した。
4度目のアンパンマン列車だった。


18.宇和海の朝

20.室戸への道

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四国周遊切符の旅  19.銀色のしおかぜ
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