最長片道切符の旅を小休止して、野辺地駅2番線に行く。

 臨時特急<つがる72号>が到着したあとに、
9時47分、大湊行快速<しもきた>が青森からやってきた。
2両編成のディーゼルカーで、冷房はない。
大湊からの快速しもきたの到着後、11時03分に発車する。

 東北本線と分かれて細道へと入っていく。
住宅地と田畑を抜けていくと、どうやら林の中を走る。
いまにもカモシカが出そうな雰囲気だ。
北海道ではないからエゾシカではなく、カモシカなのだと気付く。

 やがて松林に変わると海に出る。陸奥湾である。
対岸は津軽半島であるが、かろうじて見える程度。けっこう広い。
<スーパー白鳥>の中から見たときも、
太平洋かと思うほどであった。
“はまなすベイライン”の名に恥じない路線だ。

 一直線に線路は伸び、陸奥横浜に着く。
どこに通過した駅があったのかすらわからなかった。
すれ違いができる駅としては最初だった。

 陸奥横浜で降りる人はいなかった。
発車すると、ひたすらのどかな風景が続く。
地形の険しさもないようだ。

 通過駅を見つける。近川とあった。
2両編成分しかない短いホーム。道理で気付かないはずである。
右手に風力発電のプロペラ。
その向こうに雲に隠れた山が見え始める。
恐山であろうか。
その名にふさわしい威容の山である。神でも住んでいそうだ。

 15分ほど走って市街地が見えてくると下北に着く。
下北交通の線路は跡形もない。乗客の大半が降りる。
鉞の形をした下北半島の内側のてっぺんに程近い。
“JR東日本てっぺんの駅”とある。
津軽線の終点・三厩よりも北にある。
地図を見るとわかるが、北海道の最南端よりも本州の最北端・
下北半島のほうが北にあるのだ。
そのまま線路は西に進路を変え、やや南によって終点・大湊へ。

 “JR東日本最北端てっぺんの終着駅”とある。
キャッチフレーズの好きな地域だ。
改札口で駅員が切符を集めている。
待合室は折り返し列車を待つ人でいっぱいであった。
列は駅舎の外にまで伸び、タクシー乗り場を占拠している。
これでは野辺地まで戻る切符を買うのもままならない。
案の定、帰りの列車は超満員であった。
観光客とUターンの人がほとんど。
お盆にはじめていながらいままで帰省ラッシュとも無縁であった
最長片道切符の旅も、思わぬところで巻き込まれてしまった。
非冷房ゆえに、暑さとも闘わねばならぬのだった。


下北半島・大湊線

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