ロングシートなら車窓に背を向けるから、
乗っていて楽しむものがない。
見るものがなく、移動手段としてしか鉄道が扱われなくなった原因は
この辺りにあるのではないだろうか。
鉄道自身が首を絞めているということになるのか。
ぼくはボックスシートで揺られているのが一番好きだ。

ただ、通勤中の人たちが本を読んだり、居眠りをしたり、
通学中の高校生が参考書に目を通したりする光景に出会えるのも
朝ならではの情緒といったところだろうか。

 新幹線高架近づいてくると、黒磯に到着する。
町としてはそんなに大きくないが、東北本線上の要衝。
栃木県都・宇都宮を過ぎたせいもあって、通勤客は減り、
高校生の姿が目立ちはじめた。

 黒磯は上野側が直流電化、仙台方が交流電化になっている。
したがって、南側に直流用電気機関車、
北側に交流用電気機関車が待機している。
2両編成の電車に乗り換えて仙台を目指す。
車内は高校生でいっぱいである。
乗降用ドア付近の床に座られると、乗りづらい、降りづらい、
乗降に手間取るという具合。
はっきり言って迷惑この上ない。
そして騒々しい。
彼らは黒磯から2つめの黒田原で降りていった。
車内は静かになったが、座席はすべて埋まっていて寂しさはない。

 白坂を過ぎて山中に分け入っていくと
南東北への入口となる白河の関である。
福島県に入り、新白河、白河に停車すると再び乗客が増え始める。
郡山の都市圏に入ったと思われた頃、
札幌発・上野行の寝台特急北斗星4号とすれ違う。
食堂車では朝食を楽しんでいることだろう。

 9時01分、郡山到着。
福島県南部の中心都市であり、
会津・猪苗代方面への玄関口となっている。
東北新幹線から磐越西線への乗換え客で賑わっていて、
会津若松行快速電車は満席に近い。

 一方でいわきへの磐越東線、水戸への水郡線の普通列車が
発車待ちをしていて、本線と支線のジャンクションであることも
うかがえる。その郡山で20分停車したのち、
会津若松からの快速電車の接続を受けて発車する。

 郡山の手前より車内は空いている。
しかし、減る傾向はなく、福島に近づくにつれて、
乗客は増える一方である。
母成峠を擁する安達太良山が車窓に現れ、
その向こうには蔵王連山が姿を現した。
列車は福島盆地へ減速することなく駆け下りていく。

 10時08分、福島到着。
ここからは快速仙台シティラビットに乗り換える。
マイクの音量が小さいのか、放送が聞き取りづらい。
案内放送は地名を伝えるものであるから聞けるに越したことはない。
特に、旅をしているものにとってはそうである。
 
 桃などの果物を産物とする福島盆地らしい果樹園。
その風景の向こうには、雪化粧した蔵王山系が見えている。

 常磐線が合流する岩沼を発車すると、仙台都市圏らしくなる。
さらに仙台空港も近い名取では大量の乗車があり、
車内はいっぱいになった。
広大な長町機関区を駆け抜けて、長町駅を通過する。
新幹線に沿って高架になるようで、
連続立体交差化事業がたけなわであった。

 仙台は東北最大の都市だけあって、都市圏は広く、
仙石線、仙山線、はもちろん、
岩沼からの常磐線ももちろんエリア内にある。
乗り継ぎ時間28分で一ノ関行普通電車を待つ。
北上すると仙台電車区構内で山形への仙山線がまたいでいった。

 岩切では新幹線車両基地のある利府への支線と分岐し、
陸前山王、国府多賀城と停車する。
塩釜でまとまった下車があると、
仙台では地下にあった仙石線が現れる。
松島海岸をたどりながら交わり、石巻方面へと分かれていった。

 松島、愛宕と停まりながら13時24分小牛田に到着する。
仙台からの6両編成のうち、後ろ4両を切り離す。
この小牛田は田園風景のど真ん中で大きな町というわけではない。
しかし鉄道交通上は重要な拠点で、西からの陸羽東線、
石巻への石巻線が分岐しており、
交差点であることは地図からも容易にわかる。
東北本線から両側へと支線が分かれるのは郡山によく似ている。



早朝の首都圏を抜けて

奥州の都

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東北本線・各駅停車 A

みちのくは雪深く
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