石巻から最長片道切符のルートを外れて、石巻線の終点・女川を目指す。

 石巻駅3番線に停まっている2両編成のディーゼルカーに乗る。
15時49分発の女川行は、半分以上の座席を埋めて発車する。
人が多く感じられたのも、2つめの渡波までであった。
気仙沼線もそうであったが、石巻線も線内利用が多いみたいだ。
三陸海岸の鉄道は、仙台・盛岡などの大都市へ出る人たちよりも
その路線の中で入江どうしを往来したり、気仙沼や石巻、宮古や釜石など
大きな港町へ移動する人が多いように思う。

 万石浦、沢田と停まるうちに右手に海が広がる。
万石浦という大きな入江であり、養殖筏がたくさん浮いている。
右へ左へとカーブを繰り返しながら、ゆっくりと着実に海岸線をたどり、
浦宿に停車。車内は閑散としてきた。

 さらに5分で終点・女川に到着。
小さな駅だが駅員が配置されている。
南三陸・金華山国定公園への玄関口となる駅のようだ。
駅前からはバスも出ている。
駅から正面に数百mで女川港がある。
石巻、気仙沼と並ぶ宮城屈指の漁業基地である。
したがって、古くから鉄道が開通していたであろうことは想像に難くない。
そんな大きな港町への小さな旅が終わった。

 石巻へ戻る途中に気付いたが、
発泡スチロールが積み重なっているように見えたのは、
ホタテの貝殻を束ねたものであった。
おびただしい数。
万石浦の筏で養殖されているのはホタテだと気付いた。



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 最長片道切符の旅に戻り、仙石線で仙台まで達すると、
東北本線の盲腸線として残る“利府支線”に乗る。



 仙台から2つ北にある岩切で下車する。
19時27分発の利府行普通列車は仙台始発だが、
1番線が非常に暑く、汗だくになってしまったのだ。
発車待ちをしていた一ノ関行普通列車に乗り込んで涼んでいたら、
降りるに降りられなくなって、そのまま岩切まで来てしまったのである。

 利府行はボックスシートの元急行型電車だった。
懐かしさを覚えつつ、座って窓を開ける。
わずか10分足らずで、夜でもあるが、うれしいかぎりだ。
岩切駅をあとにすると、新幹線の高架橋が下りてきて
新幹線電車がずらりと並ぶ。壮観な眺めだ。
東北・秋田・山形はもちろん、上越・長野新幹線まである。
JR東日本最大の総合車両基地の横を電車は走る。

 4分で唯一の停車駅・新利府に停まる。
改札口はないが、それらしきところに門があり、そこに警備員が立っている。
新幹線車両基地に勤務する人だけが利用する駅らしい。
道理で一般客が一人も降りないわけである。

 そのまま大きな検修庫や工場、留置線が並ぶところを抜けて利府に着く。
あっけない感じはしたが、車窓がすべて新幹線車両基地とは変わっている。
利府駅で降りる人がけっこういたので、周辺はベッドタウンのようだ。
この利府はかつての東北本線の途中駅でもある。
ここから塩釜を経由せずにまっすぐ松島まで線路が伸びていた。
塩釜経由の現行の東北本線から直進して利府に至るのは
そのためである。
折り返し列車にも少なからず乗客はいた。
ともあれ、小さな盲腸線の旅だった。



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石巻線と東北本線“利府支線”の旅

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